Quit like a MILLIONAIRE – 読んで学んだこととやると決めたこと

てでぃです。

普段からセミリタイアや投資についての情報を追っています。いろいろなブログやTwitterでフォローなどしているのですが、海外のブロガーさんが一人います。

それがKristy Shenさんです。31歳の若さでセミリタイアして、旦那さんと世界中を旅して暮らすという夢のような生活を実現させている方で、ロジカルかつ身近なキャラクターが文章から伝わってきます。

そんなKristyさんが去年に本を出したということで、これは読むしかないと思い読んでみたら、とてもよかったので学びをまとめておこうと思います。

当然海外の方(カナダが拠点)なので、英語になるわけですが、覚悟を決めて時間をかけて読破しました!と、同時になんと日本語版が発売されていた!衝撃。

原書

日本語版

そして日本語版が出て悔しい自分のツイート

おすすめする理由

最低でも毎週1冊は本を読むようにしていますが、この本は特別良いと思いました。

良いと思っている理由は3つあります

複雑なことをわかりやすく、伝わる言葉で書いている

お金関係の本って、どうしても計算式が入ってきたり、いろんな前提を置かなくてはいけなかったりで、話がややこしくなりがちだと思います。この本の中で伝えようとしていることも、そんなに簡単なことではないと思います。

ただし、これは作者のスキルだと思うのですが、そんな内容がものすごくシンプルに伝えられています。ブログでも軽い語り口で読みやすいのですが、この本ではさらにそれが凝縮されて発揮されている印象を受けました

難しい理論は後回しになっているため、今までお金関係のことを考えたことがない人にとっても、アプローチしやすいのではないかと思います。

もちろん、複雑な計算も著者は理解しているため、後半のAppendixというセクションでその説明もしっかりしています。ただ、そこを読まなくても内容は理解できるように、工夫されていると感じました

筆者の思考プロセスが書いてあるから、納得感がある

この本は筆者の生い立ちや考え方からスタートします。かなり貧しい状況を故郷である中国で体験していたり、育ちが恵まれている人ではないです。学生時代も相当の苦労して、大学を卒業しています。

もちろん結果としてミリオネア(日本語で言う億り人)になっているので、この人は特別に違いない、と思ってしまいがちです。実際特別かもしれません。ただ、この本には僕らが考えて心配になったりするような悩みがしっかり書いてあります。そして、それに対して筆者がどう考えて答えにたどり着いたかもしっかり書いてあります。

読んでいる途中に、「でもこれだとダメじゃん」「こういう場合はどうすんの」とか思って、その答えが書いてない本ってたくさんあると思うんです。そして、そういう場合なんとなくその本に対する信頼度が下がると思います(めちゃくちゃ研ぎ澄まされて、濃度の高い作品は別にして)

この本は、少なくとも僕の疑問にはしっかり答えてくれたと思います。だから読み進めていけば行くほど、引き込まれるというか、先が読みたくなりました。筆者と対話しているような感じだったかもしれません

主張を押し付けておらず、個人それぞれに応用できる余白がある

投資本やどうやってお金持ちになるか、といったテーマの本では、よく「自分はこうやったから、これが正解!」であったり、「とにかく節約すべし!楽しみは我慢!」みたいな、がんじがらめにされて自分に応用する場合にも現実的でなかったり、そもそも内容に興ざめしてしまいことが多いです。

しかし、この本はその縛りがないところが魅力だと思います。100%やったほうが良いこと、例えば、「なるべく税金を払わないように」などといったところには断言がありますが、読者次第のところに関しては、自由をしっかりもたせています。

自分の場合はどうだろうなぁ。自分にもできそうだなぁ。と、自分にあてはめながら読み進めることができました。

この本から学んだこと

けっこう学んだことは多かったです。

特に良いなと思った3つをまとめておきます。

More money = More 幸せ、ではない

年収だけあげても幸せにはなれないし、お金だけが増えても幸せにはなれない。ということです。

自分を幸せにするお金の使い方は何か、を理解し、出費を最適化(最小化ではなく)することが大事だということを改めて学びました。

具体的に紹介されている出費の最適化の手法は

  1. 自分を幸せにしていない固定費を削減する → 車、家、ATM手数料、保険、など
  2. なくすとちょっと痛いけど、慣れれば耐えられる費用の削減 → ジム、飲み会、職場のランチ、など
  3. 持っていることで費用(予期せぬ出費、維持費)のかかる高価なものを持たない → 車、家、など
  4. 1~3で浮いたお金の額より少ない額を自分が幸せになるものに使う → その人次第

の4Stepです。4があるのが筆者らしいなと思います。こうすることで、幸福度を上げながら、貯蓄率も上げることができます

4%(もしくは25倍)ルール

これはセミリタイアを目指すための具体的な目標を決めるためのルールです。

「年間の支出が資産額の4%になれば、労働しなくてもお金が減らなくなる=セミリタイアできる」ということです。

別の言い方をすると、

「年間の支出額の25倍まで資産を増やせば、セミリタイアできる」とも言えます。 1➗4%が25だからですね。

とてもシンプルに皮算用できて良いと思います。目標が明確になることでやる気が出るし、進捗を確認できるのが良いですね。

そして、貯蓄率とこの4%ルールを根拠にセミリタイアまであと何年か、というグラフがあります。


誰でも自分に簡単に当てはめることができるのが、とてもわかりやすくて良いなと思いました。

リスクヘッジする

最後に、筆者がとてもコンサバであり、ワーストケースシナリオを想定していることです。

現在コロナの影響で株価がかなり下がりましたが、筆者のブログを読んでいても全く慌てていません。それは、セミリタイアの前にあらゆるシナリオを考えていたからだと思います。

世の中の人の「常識」に逆らうのは誰でも怖さを持っていると思います。僕もそうです。だからこそ、具体的なアクションプランが書いてあることに安心したし、この通りやれば良いんだなと思えました

具体的なバックアッププランは、4%ルールを満たす資産になるまで上から順番にやっていきます

  1. Yield Shield(ポートフォリオからキャッシュで入金される配当)を使う
  2. Cash Cushion(キャッシュクッション:もしものために持っている現金)を使う。※いくら貯めれば良いのかの計算方法も明確に本書に書いています
  3. 低コストの国(東南アジアなど)で過ごす。筆者が世界中を旅しているため、その自由がある
  4. 副業をする
  5. 一時的にバイト、もしくは仕事をする

読んでいて改めて認識したのは、一度辞めたら戻れないというわけではないということ。同じ給料や職場ではないにしろ、一時的にポジションを回復させるために期間限定で働くのであれば、別にそこまで苦じゃないと個人的には思いました。Uber Eatsの配達員でもやるか!

具体的な行動

かなり刺激を受けたのと、これまでたくさん読んできた投資関係の本の集大成のように感じました。コロナショックもあって、自分の運用方針を見直したいと考えていたところだったので、タイミングも良かったです。

具体的に、二つのことを決めました

セミリタイアの日付を決めた

この本の式をそのまま当てはめたわけではないですが、自分の中でセミリタイアの日付を決めました。

妻とも、家族が幸せに暮らすにはいくら必要か、子ども教育はどこで行うのが良いか、などなど、おくりたい人生について話をしました。良い機会になったと思います。

自分は今31歳ですが、遅くとも30代のうち、つまり40歳になるまでにはサラリーマンを卒業します。

夫婦の中では、具体的に日付まで決め、目標に定めました。

投資先を米株インデックス1本へ変更

上記に関連して、夫婦の共有資産の運用先を米株インデックス1本へ変更します。

セミリタイアをするという目標をかかげる以上、変なリスクをとりたくないと思ったのが理由です。

個別株をやることで、インデックス投資よりも良い成績をあげることができるかもしれませんが、統計的には勝てない人の方が多いということが本書でも紹介されているし、今まで読んできた投資本のどれも、インデックス投資は否定していません。(退屈だ、それ以上できる、と書いてあるものはあります)

個別企業の決算の分析などに時間を使うよりは、本業であるサラリーマンや太陽光事業や読書に時間を使いたいし、万が一投資先が倒産して、セミリタイアが1年遅れた、なんて事態になったら、後悔しかありません。

趣味としての投資は、結婚前に貯めた自分のお金で楽しみたいと思います

まとめ

久々に、読んでワクワクというか、楽しい本に出会えました。

先の道は短くはないですが、目標と戦略・戦術を決めたらあとは走るだけ。

20代はとにかく自分の力を伸ばすとか、人との出会いを広げるとか、キャリアアップとか、そんなテーマが大きかった。

自分の30代の大きなテーマは、①子育てと②労働からの卒業=本当の働き方改革、の二つになりそう。

頑張っていきます。じゃ、そゆことで。

コメント

  1. […] 特に良かったのは、Quit like a MILLIONAIRE。すごく刺激を受けて、久々に読書感想文を書きました […]