テディです。
「種銭が少ないんだし、自分に投資したほうがよっぽどリターンが高いから資産運用なんて考えなくていい」という意見があります。
最近だとDMMの社長の亀山さんのこの記事が話題になりました。(すごくいい記事だと思った)
個人的にはこの意見には賛成できる部分が多くありますし、自分も最近まで全然考えてきませんでした。しかし、この種銭が少ないっていくらくらいの話をしているんだろうとか、若者は本当に投資について全く考える必要がないんだろうか、とかいろいろ思ったわけです。
いい機会なので、ちょうど来年から新社会人になる妹に、自分は資産運用についてどんなアドバイスをするかを考えてみました。
リターンがあること、特に新しい経験にお金と時間を使え
今は当たり前にできていることですが、大事な視点で、社会人なりたてのころは意識していませんでした。社会人になって学生までと大きく変わることは、自由な時間:激減、自由な時間で使えるお金:増加、です。
また、周りの人間に急激に年上が増えますね。学生のころにみんなでやるには高すぎたモノ・コトに手が届くようになります。
具体的にやるべきこと・やるべきでないこととしては、
やるべき
- 人より成果を出すための残業(サービス残業ではなく)
- 仕事をうまく回すため、信頼できる同僚と行く飲み会(心から行きたいと思うやつ限定)
- 副業へ挑戦
- 合コン(ただし絶対に持ち帰られるな)
- BBQなど社外の人も来る同世代の集まり
- 好きな漫画・映画・本
- 自分でイベント・旅行を企画してみる
- 飲み会の幹事の経験
- 興味はあるけどやってこなかったこと(習い事、海外旅行、スカイダイビングなど)
やらないべき
- ダラダラと続く同期との飲み会に毎回出席する
- 休みの日になんとなくゲームをしてばかり(すごく好きなゲームを本気でやるなら別)
- 二日酔いで土曜日をつぶす(何度したことか・・・)
- 同じ友達ばかりと遊ぶ・飲みに行く
- 通勤に時間をかける
自分より下の世代は仕事はそこそこで良い、という考えの人が多く、それを否定する気もありませんが、とりあえず「サラリーマンをやる」と決めたからにはその環境で自分が輝けるように一度精一杯やってみて欲しいと思います。
心や身体を壊すまでやれとはもちろん言いません。逃げてもいい。ただ、環境のせいにする前に自分の選んだ道を正しくする努力はしてみて欲しいということです。一般的に、20代ではケチケチして金融資本を伸ばすより、人的資本に投資して能力を伸ばしたほうが良いというのが自分の考えです。そして、良い会社に入ることができれば、そこから得られるものも捨てたものではない場合も多いです。
時間が一番大事だから資産運用に手間をかけるな – Buy and forget
投資は自分のお金がかかっていることで、なんとも言えないギャンブルの魔力があります。
銀の玉が落ちてくるのをひたすら眺めるパチンコ
くるくる回る柄をひたすら凝視するスロット
割と実態がある競馬は、馬好きならありかもですが、儲けようと思ってやるには期待値が悪すぎます
まったく自分にリターンのない行為をお金がかかっているからと言ってやるべきではありません。Time is moneyと言いますが、自分はTime is more important than moneyと思います。時間をお金で買えるのであれば、お金持ちほどすぐに払うでしょう。
なので、投資をするのであれば買ったことすら忘れるくらい、時間を取られない範囲でやるべきです。繰り返しになりますが、20代ではケチケチして金融資本を伸ばすより、人的資本に投資して能力を伸ばしたほうが良いです。
つみたてNISAだけはやっておけ
ただし、社会人1年目からやっておいて欲しい唯一の投資がつみたてNISAです。最初にどの商品に投資するか選んでしまえば、毎週なり毎月自動で同じ額をつみたててくれるように設定できます。時間もかからないし、税金がかかりません。
長期的に伸びると思われる対象に貯金代わりに投資しておけば、損することはないでしょう。長期というのは10年以上が目安です。確定拠出年金と違っていつでも引き出せるため、やることによる損はないと言えます。なんなら妹のために自分が商品選ぼうかな。今なら「SBI-EXE-i つみたて新興国株式ファンド」を勧めますね。
200万たまったら好きな会社の株を買ってみろ
妹は上場企業で働くので、株主の目線を学ぶのは重要だと思っています。はじめはIR資料すら確認せずに、雰囲気で買ってもいいです。会社にもよりますが、だいたい50万円もあれば株買えるでしょう。
買ってみると、値動きが気になったり、損した得したでニュースが気になったりすると思いますが、1社くらいなら良いです。勉強代だと思って、損してもいいから好きな会社の株を買って、株主側になってから眺める世界を経験して欲しいです。社内で起きるいろいろな理不尽なこと・急なことの意味が少しわかると思います。
400万たまったら資産運用について一回話そう
400万にしたのには理由があります。高配当株だと3%くらいの配当があるので、インカムゲイン・不労所得として年間12万円、毎月1万円の規模になります(話をシンプルにするために税金は無視)。
ここまで来ると資産運用に少しくらいは時間をかける価値があると思います。本人のライフプラン・興味によっても投資対象やアドバイスが異なるので、ここまできたら一度ゆっくり飲みながらでも話をして良いかなぁと思います。ここまでくるのに20代後半にはなっているはず。どんなことを言うか楽しみです。
1000万たまったら税金の話をしよう
ここまでくると貯金の習慣は付いているでしょう。たぶん自分の意見・こだわりも育ってきて、僕の考えを押し付けるというよりも、こういう怪しい話に乗っちゃダメだよ、といったことくらいしか言えないと思います。
向こうから売り込んでくる不動産ビジネスや、信頼をお金に変えるネットワークビジネスのたぐいですね。唯一はっきり言えることは、税金の勉強をしたほうが良いということ。この段階で妹がサラリーマンをやっているかはわかりませんが、サラリーマンは税金においては圧倒的に不利で、不動産所得・事業所得とはだいぶ扱いが違うということについて、説明したいと思います。
場合によっては信頼できる不動産業者を紹介して、不動産を持つことを勧めるかもしれません。日本で生きていく可能性が高いので、ゲームのルールを知っておくことはとても重要です。
結局は自分のやりたいことをやって欲しい
結局自分の家族に思うのは、本人が楽しいと思うことを一生懸命楽しんで欲しいということ。そのために、お金で不幸になってほしくない。何も考えずに銀行にお金を寝かせておくくらいなら、つみたてNISAくらいやってほしいし、ちょっとした工夫でお金が増えるなら、増やして欲しいと思います
ただ、自分のやりたいことをやるための時間を資産運用に過剰に費やして欲しくはない。自分はお金周りの話が好きだし、ケチるのが好きなのですごく時間をかけていますが、みんながそうする必要はありません。お金のために、お金のことばかり考えていなくてはいけない人生はあまり幸せとは思えません。自分もここ1年半くらいはお金の勉強に時間を使っていますが、AFP取得で一区切りと思っています。
まとめ
自分は外資のサラリーマンとして2社で働いてきて、多くを学びました。くだらないことも、むなしいこともたくさんありましたが、会社を離れても一生付き合いが続くだろう友人が数人できたし、グローバル企業の厳しさや楽しさも経験できました。これは目の前のことを時間を使って一生懸命やってきたからです。
大切な時間を犠牲にせずに、お金で不幸にならない最低限の省エネ資産運用をまずは勧めます。
長くなりましたが、「若者が資産運用をすべきか?」という問いに対する自分の答えは条件付きの「イエス」で、その条件は、時間を使ってはいけないということです。時間を使っての投資というのは、投資可能な資金が400万円を越えてきて初めて考えれば良いことだと思います。
じゃ、そゆことで。
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