株を買うときにはいろんな指標があります。
そして、正解と言えるものもありません。そこに面白さがあるとも思いますが、僕が好きな指標はPERです。
まぁ知ってる人からしたら「基本やん!」って思うかもしれませんが、PERという指標をどう解釈するべきか、解釈するときの注意点について考えてみます。
PERって何の略?
「PERとは」でググってみたところ、下記の説明が出てきました。
Price Earnings Ratioの略称で和訳は株価収益率。 株価と企業の収益力を比較することによって株式の投資価値を判断する際に利用される尺度である。 時価総額÷純利益、もしくは、株価÷一株当たり利益(EPS)で算出される。 例えば、株価が500円で、一株当たり利益が50円ならば、PERは10倍である
野村證券 証券用語解説集より
・・・わかりましたか?僕は始めて読んだときにはあまりピンとはこなかったですね。これがなぜ大事な指標なのか。分解して考えてみましょう。
①Price:値段
②Earning:稼ぎ
③Ratio:割合
①Price:値段
これはそのまんまですが、会社の値段=時価総額です。
時価総額は、株価 x 株数ですね。
株価が適切かどうかを考えるときには、会社全体のことよりも、目の前の1株が重要なので、株数をかけずに株価だけをPriceとして考えることのほうが多いです。
M&Aとか考える人は株数をかけて会社全体の価値=時価総額に目を向けるんですかね。
スケールが大きくて、セクシーなイメージがあって、給料もいいけど、激務だからな。。。自分には投資銀行は無理だわ。
②Earning::稼ぎ
会社の稼ぎ=純利益です。
ここで株を理解するのにもっとも重要な概念が「会社の稼ぎは株主のもの」ということです。なぜなら株式会社だから。ここがわからなくて、PERという数値にどんな意味があるのかなかなかわかりませんでした。
株式会社という仕組みの話は、それだけで長文になってしまうので今日は語りません。その歴史は大航海時代や東インド会社までさかのぼります。
株を買うというのは、その会社の一部を保有することそのものなんです。
さて、今目の前の株を買おうか迷っているあなたであれば、会社全体の純利益にはあまり興味がない、というか実感がないと思います。私もありません。
なので、①で時価総額を株価にしたように、株数で割り戻します。これがEPS (Earning Per Share)という指標です。日本語だと「一株当たり利益」ですね。
1分前に書きました。会社の稼ぎは株主のものです。
EPSはつまり、「1株が1年間(もしくは四半期の場合もあります)でいくらを株主のために稼いでくれるか」、ということです。
③Ratio:割合
①÷②です。値段÷稼ぎ。これがなぜ重要なのか。
以下で考えてみます。
PERを2つの視点から解釈してみる
①値段:なぜか毎日動くけど、何かニュースがあったり、決算があると大きく動く。
②稼ぎ:基本的には四半期に一回の決算で発表される。先の見通しも決算で発表される。そして、これは株主のもの。
解釈その1:PERはその会社があと何年続くかを示している
金利とか期待リターンとか、難しい話を置いておくと、PERはこの会社があと何年続くかの見込みを示していると言えます。
なぜならPERが10だとすると、それは10年分の稼ぎの額と株価が等しいということになるからです。同じ額の利益がそのまま10年続くとしたらですがね。
解釈その2:PERは期待リターンの逆数である
①と②をひっくり返すと、稼ぎ÷値段になります。
たとえば①値段=100 ②稼ぎ=5だと、PERは100÷5で20になります。
逆数は、5÷100です。5%。
これは、稼ぎがそのままだとしたとき、毎年5%のリターンももたらしてくれたらいいな、とその投資家が考えていることになります。
いや、10%儲けたい!と思っていたら、株価が50になるのを待つべきです。それか、利益が倍増することを見込んでいるということです。
PERがめちゃくちゃ高い企業は今後のさらなる成長が期待されているということ!
PERを使うときの2つの注意点
①株価÷②稼ぎのどちらも大きく動く。どちらが動いているか見極めよう。
PERが何でできているかがわかれば、この注意点はよくわかると思います。
まず①の株価ですが、投資家や投機家に注目されると乱高下します。
金融危機のときの株価を見たらわかりますが、マーケット全体の株価が下がっています。②の稼ぎがほとんど変わっていなくても、です。
②の稼ぎもそうです。
一時的な要因でものすごく決算が悪い場合、PERがすごく低くなります。
PERが5とか、それ以下になることもあります。しかし、それが一時的な要因かどうかを見極めるのが重要です。
PERが低い=割安だ!とすぐ飛びついてはいけません。惹かれるのはものすごくわかりますけどね。。。
最近東京電力のPERが低すぎて飛びついてしまった。。。
歴史から学ぼう
自分の選択に自信・根拠を与えてくれるのは歴史です。
これまで何度も金融危機がありました。しかし、市場は何度も持ち直してきています。
歴史的に見て、今、株は高いのかどうかを知っておくことはあなたの助けになるはずです。幸いなことに、PERのデータはけっこう昔までさかのぼれます。日経平均のPERを見てみます。
サブプライムが異常すぎて参考にならないですね(笑)300って。。。
サブプライム直後からで見てみましょう。
最近は13~14で安定してますね。ちなみにサブプライム前はこんな感じです。
現在より高めで推移してますね。
これを根拠に「日本株はまだ割安だ!」という人もいますが、僕はそうは思っていません。
なぜかというと、PERには将来の期待・予想が大いに反映されているからです。
人口減少が確実で、政府の借金は増えるばかり、以前より先行きが暗いのが反映されているだけではないでしょうか?ただし、これは個人によって意見が分かれているところです。
そして気になる米国市場。S&P500のPERの歴史を見てみましょう。
ぱっと見ると20より下の水準でいることが多いですね。1990年ごろからの経済のグローバル化によって、20以上でいることが多くなっています。現在は25くらいですね。
これを見ると、自分は19くらいが投資するのに心地よい水準だと感じます。
なので、キャッシュを手元に残しながらの投資をしています。投資をしないことの機会損失もありますからね。PERが19を割ってくるようであれば、全力投資で良いと考えています。
こうして歴史を見ると、安心感が出ませんか?
過去90年をみて、S&P500の最低のPERが6程度なので、もし仮にPERが6になったら僕は自信を持って投資できます。まぁさすがにそこまでは落ちないと思いますが。
まとめ
いかがでしたか?
自分なりに安心できる指標を探して投資に臨むと、株価の乱高下の際に狼狽売りをしなくてすむと思います。
AmazonやNetflixなどの成長株はすごい高いPERになっていて判断が難しいですよね。
そんなときにも、自分なりの将来の利益予測とPERの水準を持てば、自分なりに買いたい株価を計算することができます。
また、個別株だけでなく、ETFであってもPERは計算されていて、過去の実績も見ることができるので、投資判断の参考になりますよ。
基準があると目の前の株価に一喜一憂することがなくて精神的にいいですよ。
アメリカ株の調整はいつ来るのでしょうか!?
そんじゃ。
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